ある日、いつもより甘える丹華。
その甘え方がちょっと特殊で、何て云うか、まさか発情期じゃないよね?って感じだった。
すると次の日、同居人が茶姫が発情期みたいだと云う。
前日の丹華より、明らかに発情中。
丹華も前日より本格的に発情開始の様子。
あぁ、春までに手術とは思っていたけど、寒くても暦はもう春だったんだなぁ。
幸い、唯一の雄猫である輝斗は、まだその気がない様子。雄猫の最初の発情期は雌猫より遅いらしい。
とはいえ、雄猫は雌猫の発情によって、発情が促されるとか。
キョトンと雌猫達を見る輝斗が、いつその気になっても可笑しくない。
狭い我が家では、三匹が手一杯。子猫が増えたら、さあ大変!
日中は、人間は不在なので見張れない。仕方ないので、雄雌隔離を試みた。
憧葛の部屋の戸は、重い引き戸なので、餌やトイレを用意して、雌二匹を入れてみた。
「出せ~」と、泣き叫ぶ声。ちょっと心が痛い。
そこで時間なので、後は同居人に任せ家を出る。
その後、やはり仕事に行く同居人からメール。
「丹華が戸を開けた」
一番頭の良い丹華だが、力技なのか知恵なのか?
仕方なく、輝斗を部屋に入れて出かけるらしい。
まだ、しっかり発情していないけれど、もし発情が始まれば、雄の性で、部屋中マーキングもありえる。
この日は、ビクビクして帰宅。
家に入ると、奥から悲しげな輝斗の鳴き声。
いつもは俺様性格のくせに、ひ弱な男の子の様子。
部屋に入ってみると、ビビりまくりの輝斗が、細いパーテーションの上で訴える。
「僕何も悪く事してないのに、何でこんな目に合わされているんでしょうか?」
若干荒れた部屋は、けれど、マーキングの様子はない。
胸をなで下ろした。
同居人と協議の結果、人間が居る時間は、監視の上解放。

おかげで、寝不足の夜を過ごし、次の日輝斗を医者に連れて行くまで、ハラハラの時間を体験したのだった。