これに関して、千円は惜しくない。
だからといって、あきらめてもいないし、過剰な期待もしていない。

朝、いつもの通り通勤するだけなのである。
現場は、駅を出てから少し行った所。まあ、駅からそこに至るのは誰だって分かるだろう。
その人は改札を出た所にいて、すぐこちらに気付いた。
そして、千円札の入っていることを確認して見せてから、封筒を渡した。
丁寧に、本当に助かりました。と礼を言った。
そういえば、ちゃんと顔覚えていたな、自分(笑)
実は昨日、この人は、誠実な友人に少し似ていると思った。もしかしたら、千円を出せた理由は、このあたりにあるかもしれない。
封筒を受け取ってすぐ歩き出したけれど、もしかしたらこちらに頭を下げていただろうか?

封筒の中には千円と商品券が一枚。そして、丁寧な手紙が入っていた。

朝から、凄く気分がいい。
自分の中で、運だめしだったこれは、こんな結果だった。
もし、縁の善し悪しで人の器がはかれるなら、悪くないんじゃないかな、自分!